【見分け方】肉筆作品と版画の違いとは?|福岡・九州の鑑定士が分かりやすく解説
結論から申し上げると、絵画作品が「作家本人による肉筆作品」なのか、「版画・印刷物」なのかは、いくつかの確認ポイントで見分けることが可能です。
ただし、初めて見る方にとっては判断が難しいことも多く、査定の現場でも実際によくいただくご相談のひとつです。
東京・銀座で10年間、美術品鑑定士として従事し、現在は福岡県久留米市を拠点に美術品・骨董品の査定買取を行っております、丸奈アートの奈良岡です。
今回は、「手元の額絵が本物なのか、印刷物なのか分からない」という方に向けて、可能な限り分かりやすくご説明していこうと思います。
実際によくあるご相談|この絵は本物ですか?
以前、お電話で実際にお客様からこのようなお問合せをいただきました。
「手元に額の絵があるのですが、作家が直接描いたものなのか、印刷物なのか分かりません」
このご相談は、福岡・久留米エリアでも非常に多いです。
遺品整理やご実家の片付けの際に出てきた絵画について、
- 本物なのか
- 売れるものなのか
- 版画なのか
- 単なる印刷物なのか
判断に迷われる方は少なくありません。
実は私自身も、鑑定の仕事を始めたばかりの頃は見分けに苦労した時期がありました。
経験を重ねた現在では、遠目でもある程度判断できることがありますが、知識と経験がなければ非常に難しい内容であるかと思います。
まず確認したいポイント|版画作品にはサインと番号がある
版画作品を見分けるうえで、まず確認していただきたいのが作品の下部です。
多くの版画作品には、余白部分に鉛筆書きのサインとエディション番号が記されています。
例えば、
5/200
と書かれていた場合、
200枚制作されたうちの5枚目
という意味になります。
この番号をエディション番号と呼びます。
こうした記載が確認できる場合、その作品は単なる印刷物ではなく作家が制作に関与した版画作品である可能性が高いです。
版画は広い意味では印刷技法の一種ですが、美術市場では十分に芸術作品として評価されます。
印刷物の見分け方|ドット(網点)を確認する
次に、有名作家の複製画やポスター系の印刷物についてです。
こうした作品は、絵の表面をよく見ると細かな点のドット模様が見えることがあります。
明るい場所で作品を傾けながら見たり、虫眼鏡やルーペで確認すると分かりやすいです。
絵具の盛り上がりがなく、色の部分が平面的で細かなドット状に見える場合は印刷物である可能性が高いです。
これは査定現場でも非常に重要な確認ポイントです。
肉筆作品の特徴|筆の跡や絵具の厚みを見る
一方、作家が直接描いた肉筆作品には、筆の流れや絵具の厚みが見られることが多いです。
特に油絵や日本画では、
- 筆の運び
- 絵具の凹凸
- 重ね塗りの跡
が確認できる場合があります。
この立体感は印刷物では再現しにくく、鑑定時の大きな判断材料になります。
また、油絵などは劣化があればひび割れなどが生じることもあり、これも見分けのポイントの一つとなります。
版画でも高価買取になるケースはあります
ここで誤解されやすいことなのですが、版画だから価値が低いとは限りません。
著名作家の版画作品であれば、高額査定になるケースも十分あります。
一方で、有名作家の複製印刷物やインテリア向けポスター作品は、美術品としての市場価値がつかないこともあります。
この違いは一般の方には非常に分かりにくい部分です。
だからこそ、無理に自己判断せず、専門の美術商へ相談されることをおすすめします。
鑑定士として思うこと|知らなくて当然です
こうした見分け方は、美術商として日々見ていると当たり前になっていきます。
ですが、時々、私自身も何も知らなかった頃を思い出します。
知らなくて当然ですし、分からないままご相談いただくことは全く問題ありません。
むしろ、価値のある作品を誤って処分してしまう前に、一度ご相談いただくことが大切です。
福岡・久留米で絵画・美術品査定のご相談は丸奈アートへ
丸奈アートは2026年3月にスタートしたばかりの小さな美術商ですが、
「美術品との最高の出会いと別れを」
というモットーを大切にしながら、日本一お客様に寄り添える美術商を目指しております。
福岡県を中心に九州全域を対象に美術品・骨董品・絵画・版画の査定やご売却相談を承っております。
査定のみのご相談も歓迎しております。
無理に売却をおすすめすることはありません。
まずは、お手元の作品がどのようなものか、お気軽にご相談ください。
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