【絶対に捨てないで】共箱がないと価値が下がる理由|陶器・磁器の査定ポイントを福岡・九州の鑑定士が解説
結論から申し上げると、陶器や磁器についている箱、とくに「共箱」は絶対に捨てないでください。
場合によっては、査定額が半分以下になることもあります。
東京・銀座で10年間、美術品鑑定士として従事し現在は福岡県久留米市を拠点に美術品・骨董品の査定買取を行っております、丸奈アートの奈良岡です。
今回は、実際の出張査定であったお話をもとに、なぜ箱が重要なのかを分かりやすくお伝えします。
実際の査定現場であったお話
以前、出張査定でお客様のお宅へ伺った際のお話です。
先代の方から何点か美術品を受け継がれたとのことでしたが、ご本人はあまりご興味がなく、
「自分も高齢になり、次に引き継ぐ者もいないので整理したい」
ということで、買取のご依頼をいただきました。
拝見したお品物は、現在の市場では高額なものではありませんでしたが、どれも丁寧に作られた真面目なお品物でした。
床の間には壺や花瓶が飾られており、少し埃をかぶってはいましたが十分に査定価値のある内容でした。
そこで私は、まず大切な確認をしました。
「共箱はございますか?」
すると、お客様から返ってきたのは、
「え?場所を取るので捨ててしまいました」
というお言葉でした。
正直に申し上げて、非常に残念なお話でした。
なぜ箱がそんなに重要なのか?
日本の美術品や骨董品では、箱は単なる入れ物ではありません。
箱も作品の一部です。
特に陶器・茶道具・花瓶・壺・掛軸などでは、木箱に作者名や作品名が墨書きされていることが多くあります。
これを一般的に共箱(ともばこ)と呼びます。
共箱には、
- 作者名
- 作品名
- 印
- 箱書き
- 識箱(鑑定箱)
など、作品の真贋や由来を示す重要な情報が記されています。
つまり、
箱と中身でひとつのセット
なのです。
箱がないと査定額は大きく下がることがあります
今回のお客様のお品物も、本来であれば完品として評価できるものでした。
しかし、共箱がないことで、
- 真贋判断の材料が減る
- 来歴の証明が難しくなる
- 再販時の市場評価が下がる
という理由から、どうしても査定額を下げざるを得ませんでした。
結果として、申し訳なくも本来の評価額よりも大幅に下げたご提案となりました。
お客様ご本人は特にこだわりがなく、その場でお譲りいただきましたが、鑑定士としては本来の価値でお買取りできなかったことが今でも悔やまれます。
邪魔でも捨てないでください
確かに木箱は場所を取ります。
作品を飾れば、箱の保管スペースも必要になり、実質的に二倍の場所が必要となります。
十分な収納スペースがないご家庭では、ご負担に感じることもあるでしょう。
そのお気持ちはよく分かります。
ですが、作品本来の価値を守るために、どうか箱は捨てないでください。
これは査定現場で何度も感じてきたことです。
もし保管が難しい場合はご相談ください
どうしても保管場所にお困りの場合は、箱だけを処分する前に、ぜひ一度ご相談ください。
作品本体を含めて、
- 今後も保管するべきか
- 売却したほうがよいか
- 次世代へ残すべきか
お客様とお品物の双方にとって最適な方法をご提案いたします。
福岡・久留米で美術品査定のご相談は丸奈アートへ
丸奈アートでは、無理にご売却をおすすめすることはありません。
お客様のお気持ちと、お品物が持つ本来の価値、その両方を大切にしながらご提案しております。
まずはご相談だけでも構いません。
福岡県を中心として九州全域を対象に、美術品・絵画・茶道具・武具・その他骨董品の査定や買取のご相談を承っております。
「美術品との最高の出会いと別れを」
そのお手伝いをさせていただければ幸いです。
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